どうも!気がついたら5月になってましたtamuranotaです。
今回はネック折れの修理の話です。
記事にしてなかったんですがもう修理は完了しました。(昨日)
途中1,2ヶ月放置したりやり直したりしたので随分時間がかかってしまいました。半年近い?
記事は今回とその次でまとめようと思います。
ということで前回の続きから。
ひとまず接着は無事に終わり、おそらく弦を張っても問題ない状態になりました。
塗装が浮いているのでわかりにくいですが木部分はガッチリくっついています。
次は、ネックに補強材を貼り付けてさらにネックの形状に厚みを持たせるボリュート加工をやっていきます。
ボリュート加工の例(AriaproⅡ LS-450)
ネックの裏が山なりになってるのがボリュートです。
工程を考える
補強材の貼り付けは、強度を確保するためにネックを丸く削り取って、そこへ同じ形のブロックを接着する方法をとります。通常は木工機械などを使用しますが、今回は手作業なのでいろいろと手間がかかります。以下、工程をまとめてみました。
①補強材の加工
②加工した補強材に紙やすりを張り付けて型を取るようにネック側を加工。
③接着
④補強材をボリュート加工
①補強材の加工
ギターの材料が買えるサイトでアフリカンマホガニーのブロックを購入しました。
若干、木材の色味が違ったのでネック側のマホガニーはホンジュラスマホガニーとかなのかもしれませんが、とりあえずマホガニーなので音質的には変化しないはず。
節というか色の濃い部分が多く、最終的に木目が見えても綺麗そうな部分が残るように加工します。
まずは補強材の方を丸く加工(アール加工)します。
とあるブログで紹介されていた加工方法を参考にさせてもらいました。
塩ビパイプの内側に紙やすりを貼り付け、内側の形状に合わせて削るというものです。
直径10cmくらいの塩ビパイプに#80の紙やすりを貼り付け。ちょうどいい大きさに補強材を切り出し、最初だけノコと木工やすりでかるく角を落として、あとはひたすらパイプの中で削ります。
徐々に紙やすりの番手を#120→#320番くらいまで上げて、表面を滑らかにします。
このあと接着もするのでツルツルにはせずほどほどに。
こんな感じにできました。
②ネックの加工
今度は補強材に紙やすりを貼り付けてネックを削っていきます。
当て木を貼り付けて同じ位置を一定に削れるように注意します。
強度に関わるところなので密着が命です。ずれないように細心の注意を払います。
でも手作業なのでどうしてもずれてくるので手の感覚で斜めになっているところなどを直していきます。曲面は難しいですが横方向は定規を当てて凹凸を確認しました。
写真のような感じでトラスロッドが少しだけ見えるくらいの深さまで削り込みました。
あんまり深いとトラスロッドに接着剤が流れてロッドが固まってしまうので注意です。
ちなみに折れた箇所を接着した線が見えないところを見るにかなりしっかり接着できているみたいで一安心。
しかしまあ、このギターネックがめちゃくちゃ薄いし、トラスロッドの部分はえぐれていることを考えると折れた部分は本当に強度がない部分だったんだと改めて納得。もっと注意して取り扱うべきでした。
③接着
タイトボンドを塗って、当て木して万力でがっちり固定します。
数日放置したら万力を外して接着強度をチェック。
手で持ってもはがれないのでOKですね。(当然ですがボディは机の上です。)
④補強材の加工
ひとまずネックよりはみ出した部分はのこぎりで落とします。
そして木工ナイフやらやすりやらを使って整形していきます。
めちゃくちゃ大変でした。マホガニーは柔らかいのでまだマシだったのかもしれませんが。
加工風景ダイジェスト。
そんなこんなで成型完了。
写真の日付を見たらこの日はクリスマス(2022/12/25)でした。
今もう、5月ですね。何をしていたんだろう・・・?
次回は最終章、「失敗!放置!塗装、組み込み編」です。
tamuranota